ネット小説 【銀の翼】 エピローグ

act3 クレイ(3) ネット小説 【銀の翼】 

 

「今回の依頼も、いろいろあったけど無事解決したな」

 

 エステルはすがすがしい気持ちで、太陽を見上げた。
 家の前の道の上、遠くの方にしっかりとした足取りの少女が歩いている。シアはこれから以前いた救貧院に戻る。そこで働かせてもらうのだと、明るい瞳で言っていた。
 ニコニコしながら彼女の後姿を眺めていると、アレスが意地悪く言った。

 

「のんきだなぁ。エステルの知らない内幕も結構あったりしたけどね」
「えっ、なんだよ。また何かあったのか?」
「さあね。何だと思う?」

 

 教える気はなさそうだ。エステルは釈然としない。

 

「わたしだって結構がんばったのに」
「うんうんそうだね。オレが悪かったよ。エステルは偉かったなぁ」
「バカにしてるだろ」
「可愛がることしかしてないよ」

 

 そう言って、アレスはエステルの頬に軽く口づける。
 油断した。
 顔を赤くして言い返そうとしても、犯人はすでに家の中である。ご機嫌で口笛なんか吹いている。
 エステルは溜息をついた。そして、小さく笑った。

 

 空は青い。
 今日は始まったばかりである。

 

 

 

 

 

act3 クレイ(3) ネット小説 【銀の翼】 

 

 

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